わとかの特別な無双仕立て。類まれなる耐久性を持つ革の5つの秘密。


[1] フルグレインレザー。銀層を一切削らずに仕上げる革。

革はなぜ丈夫なのか

革という素材は、大きく2つの層から構成されています。

表面から1mmほどの、シボや毛穴が見える緻密な繊維層が「銀面(銀層)」。

スエードでは表として使われる、裏面の毛羽立った繊維層が「床面(床層)」です。

この2層を比較すると、表の銀面の方が圧倒的に丈夫で、この層こそが革の強度の源泉となっています。

これは、自然界で受ける外部からのダメージを防ぐために、銀面の繊維が細かく入り組み、ぎゅっと密に絡み合っているためです。

(革の断面:上から1ミリほどの緻密な赤い部分が銀層で、下の荒いベージュの部分が床層)


最も自然で、最も丈夫な革とは

私たち人間が、生きていく中で体にキズを受けるように、動物の革の表面にもキズやシミが自然と存在します。

実は多くの革製品では、これらを消すために表面(銀面)が削られています。

そうすることで外見は美しく見えますが、強靭な銀面の層が薄くなり、結果として革本来の強度が失われてしまうのです。

わとかでは、熟練の職人が原皮の目利きから仕上げの工程まで、妥協なく丁寧に行うことで、革の表面を一切削ることなく美しい仕上がりを実現しています。

このように表面を削らずに整えられた革は「フルグレインレザー」と呼ばれ、最上級の革として高く評価されています。

手間とコストはかかりますが、それに相応しい優れた耐久性を持つ革に仕上がるのです。



[2]繊維が丈夫な成牛の革を厳選

さらに、多様な革の種類の中で、わとかが選んだのはステア(成牛の革)です。

食肉の副産物としての成牛の「皮」を、姫路の卓越した職人が丹念に「革」へと鞣し(なめし)上げています。

人と同様に牛の皮も、子供から大人になるほど厚みを増し、より丈夫になっていきます。

そのため、成牛の革(ステア)は、高級とされる子牛の革(カーフ)よりも格段に丈夫になるのです。



[3]繊維のほぼすべてが丈夫な銀層で構成された革

わとかでは、そんな丈夫な成牛の革をフルグレインレザーに仕上げてから、銀面のみを約0.5mmほど残して、裏面(床層)を丁寧に削ります。

そうして削った2枚の革を、一切の浮きや剥がれが生じない特殊な技法で貼り合わせることで、"両面とも表"になる革を作り上げています。

こうして、内側の繊維すべてが緻密で強靭な銀面で構成される、極めて丈夫な革に仕上がります。



[4]タンニンの約10倍もの結合力がもたらす強靭な繊維

それだけではありません。

わとかの革は、お茶やコーヒーにも含まれる植物成分の「タンニン」と、ひじきやアサリにも含まれる金属成分の「クロム」を別々に使い、2度鞣しを行っています。

このクロムがつくる化学的な結合力は、なんとタンニンの約10倍にも達します。

そのため、タンニンのみで鞣されているヌメ革やコードバン、ブライドルレザーよりも強靭な革となります。

クロムの後にタンニンを飽和状態まで浸透させて鞣しているので、もちろん、ヌメ革のような美しいエイジングを味わうこともできます。

こうして生み出された強靭な革を全銀面の1枚の革にすることで、わとかの革は他のどんな革よりも優れた耐久性を実現しています。



[5]繊維方向の弱点をも克服した革

また、大きな1枚の革において、内部の繊維には「流れ」が存在します。

そして革は、繊維が流れる方向には伸びにくく、それと垂直の方向には伸びやすいという特性を持っています。

つまり、繊維の流れと垂直の方向が、革の伸びや破れにつながる「弱点の方向」だということです。

たとえば、繊維方向に沿って引っ張られたときには革は強く抵抗します。

逆に、繊維方向に対して垂直に引っ張られたときには、革は伸びたり破れたりしてしまいます。

わとかでは、特別な無双仕立てによって繊維方向が異なる2枚の革を1枚の革にすることで、この欠点を見事に克服しています。

片方の革にとって弱点となる方向でも、もう片方の革にとっては強みとなる方向になるためです。

こうしてわとかの革には「方向による弱点」がなくなり、その耐久性をさらに高めているのです。



他のどんな革よりも丈夫な革

①銀面が一切削られていないフルグレインレザーに仕上げていること。

②子牛の革よりも丈夫な成牛の革を採用していること。

③タンニンの約10倍もの力で結びつくクロムで下鞣しをしていること。

④特別な無双仕立てによって、革の繊維すべてを銀面で構成していること。

⑤繊維方向の弱点をなくしていること。

これらを実現する高度な技術の積み重ねによって、類いまれなる耐久性を持つわとかの革が生み出されています。