どこまでも強く
どこまでも美しい
工芸品のような細部。
WATOCAは、品物を形づくる全てのパーツに美しさと耐久性を追求しています。
その一端が、他に類を見ないほど手間をかけた切り口の仕上げです。
革製品の端部の仕上げには、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、薄く加工した革で切り口を隠す方法。
具体的には、端で革を折り返す方法(ヘリ返し)や、端を革で包む方法(バインディング、パイピング)です。
もう1つは、革の切り口を隠さず、切ったままの状態で仕上げる方法(切り目仕上げ)です。
前者は加工のコストが安く、革製品に最も多く採用される仕上げ方で、布や合皮製品でもよく使われます。
そして後者は、切り口がほつれることのない革の特性を生かした仕上げ方です。
WATOCAは、あらゆるパーツに、後者の切り目仕上げを採用しています。
WATOCAがあらゆるパーツの仕上げに切り目を選択する理由は、端部に薄く加工された革が露出するヘリ返しやパイピングに比べて、格段に耐久性が高いからです。
革製品の端部は、摩擦や衝撃を受けることが多い部分。
この部分を薄い革で覆って仕上げた場合、長く使い込んだときに、蓄積するダメージに耐えられずに破れてしまうことがとても多いのです。
実際に、お財布に関して受ける修理の中でも、最も多い内容の一つです。
一方で、切り目仕上げは、革が破れることがないため、より長く愛用できる製品になります。
◎ 破れのない「切り目」仕上げ
さらに、切り口をそのままに仕上げる切り目仕上げの中にも、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、切り口を顔料や樹脂で塗って仕上げる「コバ塗り」と呼ばれる方法。
これは、手間が少なく綺麗な見た目に仕上がるため、よく使われる方法です。
もう1つは、切り口に染料で色を染み込ませて何度も磨き重ねる「本磨き(ほんみがき)」と呼ばれる方法です。
多くの革製品では、時間とコストを抑えるために顔料や樹脂で切り口を塗ってコーティングする「塗り」が選ばれます。
しかし、WATOCAはより高い耐久性を追求するために本磨きを採用。
さらに、5つもの磨き工程を施し、気が遠くなるほどの手間をかけて仕上げています。
ここまで手間をかけるのは、隅々に至るまでの美しさと強度を持たせるためです。
樹脂や顔料は、均一で綺麗な質感が得られるメリットがありますが、空気に触れることで徐々に劣化し、負荷を受けた時にポロポロと剥がれたりすることがあります。
一方で、染料で色を染み込ませて磨き重ねる本磨きでは、どんなに使い込んでも色が剥がれ落ちるようなことはありません。
摩擦によって色が抜けることはあっても、何度でも磨き直すことができます。
類を見ないほどの手間暇をかけることで、自然な艶、抜群の丈夫さ、そして、いつまでも触れていたくなる手触りを持った断面に仕上がるのです。
◎ 剥がれのない「本磨き」仕上げ
神は細部に宿る。
熟練の職人が手間ひまかけて仕上げる「切り目本磨き」は、まさに"神は細部に宿る"という言葉が体現されたディテール。
WATOCAは、どこまでも丈夫で、どこまでも美しい品物をお届けします。