革財布の寿命を左右する3種類の本革とは?長く愛用できる素材を見極める3つの方法
財布やバッグなど、革製品は高価だからこそ、長く愛用できるものを選びたいものです。
しかし、革には数多くの種類があり、それぞれの性質は驚くほど異なります。
革のことを知らずに革製品を選ぶのは、住む家を外観だけで選ぶようなもの。
色やデザインだけで選んでしまうと、1年足らずで劣化してしまい、手放さざるを得なくなることもあります。
この記事では、革製品の寿命を左右する素材の特徴から、耐久性の高い革を見極める3つの方法まで詳しく説明します。
今回の内容を理解することで、革製品で失敗するリスクを大きく減らすことができます。
次に買う革製品はきっと、この先5年、10年とあなたを支える大切なパートナーになるでしょう。
革製品の寿命が長い理由は、革が丈夫な2つの繊維でできているから
革が丈夫なのは、強い繊維が複雑に絡み合っているからです。
これは、多くの強い紐が撚り合わさって作られる1本の頑丈なロープのようなイメージ。
そんな革の強い繊維は、「銀面」と「床面」という2つの異なる層で成り立っており、この2つの層が革製品の寿命に大きな影響を与えます。
銀面(銀層)とは、革の表面の滑らかで丈夫な層のこと
画像は革の断面。赤く染まった緻密な繊維層が銀面(銀層)
銀面(銀層)とは、滑らかで丈夫な革の表面の層のことです。
この層は、シボや毛穴が見える部分であり、多くの人がイメージする「革の表面」そのものです。
なぜ銀面は丈夫なのか
銀面が丈夫なのは、内側の繊維がぎゅっと密に絡んでいるから。
繊維が密接に集まっていることで、強い衝撃や摩擦にも耐えることができます。
外から受ける力を、密集した多くの繊維が分け合って効果的に分散するのです。
なぜ繊維が緻密に絡んでいるのか
銀面が丈夫な繊維構造を持つのは、動物が受ける外部からの刺激やダメージを防ぐ役割があるからです。
自然界で動物は、紫外線、摩擦、切り傷、感染など多くの危険にさらされます。
その環境の中で身を守るため、体の一番外側である銀面が丈夫な構造になっているのです。
床面(床層)とは、革の裏面の毛羽立った柔らかい層のこと
画像は革の断面。赤く染まっていない荒い繊維層が床面(床層)
床面(床層)とは、毛羽立って柔らかい革の裏面の層のことです。
この面は、毛羽立ちを細かく整えて、いわゆるスエードとしてもよく使われます。
なぜ床面は柔らかいのか
スエードを思い浮かべると分かるように、この層の繊維は、毛羽立つほど粗く絡んでいます。
そのため隙間が多く、隣り合う繊維は密着していません。
隣り合う繊維同士が自由に動きやすくなるため、全体が柔らかくなるのです。
なぜ繊維が粗く絡んでいるのか
このような繊維の構造になっているのは、動物が体を自由に動かしたり、隙間の空間によって適切に体温を調節する役割があるからです。
自然の中で快適に生きるため、革の内側である床面は機能的で柔らかい構造になっています。
本革はフルグレインレザー、トップグレインレザー、スプリットレザーの3つに分けられる
本革にはたくさんの種類があります。
牛革、豚革、鹿革。牛革の中にも、カーフやキップ、カウなど。
これらの本革は、表面の層である銀面がどれだけ削られているかによって、大きく3つのグループに分かれます。
それが、「フルグレインレザー」「トップグレインレザー」「スプリットレザー」です。
フルグレインレザーとは、銀面(表面の層)を削っていない本革のこと
銀面(表面の層)を削らずに仕上げた本革を、フルグレインレザーと呼びます。
英語では「Full grain leather」と書き、ここでのフルは「完全な」を、グレインは「銀面」を意味します。
つまり、完全な銀面を持った革という意味です。
丈夫な層である銀面を全て残すことで、最も耐久性が高く、最も自然な素肌を味わえる革になるのです。
そのため、フルグレインレザーでつくられる革製品が、最も寿命が長くなります。
しかし、表面を削って傷や汚れを消すことができないので、革にする前の原皮そのものが非常に高品質でなければならず、選別にも手間がかかります。
天然の素肌を維持するためのなめし工程も繊細で手間がかかるため、価格が高くなります。
高価であっても、自然な表情と非常に高い耐久性を重視する方には、フルグレインレザーでつくられた革製品がおすすめです。
トップグレインレザーとは、銀面(表面の層)を少し削って整えた本革のこと
銀面(表面の層)を少し削って整えた革を、トップグレインレザーと呼びます。
英語では「Top grain leather」と書き、この場合の「トップ」は「最上部」を、「グレイン」は「銀面」を意味します。
つまり、銀面の最上部を削ってつくられた革という意味です。
表面を削ることで、元々の動物が受けた傷や汚れが目立たなくなり、均一な質感が楽しめる革になるのです。
この革は、フルグレインレザーに比べて原皮の質が多少劣っていてもつくることができます。
そのため、価格はやや抑えられる傾向にあります。
また、基本的に銀面の大部分が残っているので、フルグレインレザーに次いで耐久性があります。
均一な表情、程よい価格、そして高い耐久性を求める方には、トップグレインレザーでつくられた革製品はおすすめです。
スプリットレザー[床革]とは、銀面(表面の層)を全て削った本革のこと
銀面(表面の層)を全て削り取った本革を、スプリットレザー(床革)と呼びます。
英語では「Split leather」と書き、この「スプリット」は「分割」を意味します。
銀面と床面(裏面の層)が分割され、床面だけでできた革という意味です。
緻密で丈夫な層である銀面が存在しないため、耐久性は他の2種類の革に劣ります。
その代わり、床面の隙間の多い繊維構造により、軽くて柔らかく、吸湿性も高いのが特徴です。
この革は、表面を起毛して、スエードやベロアとして使われることもあります。
※本来のスエードやベロアは、銀面を残した状態で裏面を起毛して作られる。
また、この革の表面にポリウレタンをコーティングして銀面に似せたものもあります。
これは本革と合皮の中間的な性質を持つ革です。
いずれにしても、原皮の表面がどんな状態でもつくることができるので、価格は低くなります。
軽さ、柔らかさ、低価格を重視する方には、スプリットレザーでつくられた革製品はおすすめです。
耐久性の比較:最も丈夫なのはフルグレインレザー
フルグレインレザー、トップグレインレザー、スプリットレザーの3種類を比較すると、最も耐久性が高いのはフルグレインレザーです。
革の最も丈夫な表面層である銀面を削らないフルグレインレザーは、その自然な素肌を最も長く楽しむことができます。
以下に、それぞれの革の基本的な比較をまとめます。
フルグレインレザー | トップグレインレザー | スプリットレザー | |
---|---|---|---|
耐久性 | 最も高い | 高い | 低い |
質感 | 自然 | 均一 | 均一 |
軽さ | 並 | 並 | 軽い |
価格 | 高価 | 中価 | 低価 |
※他の加工条件が同じ場合
フルグレインレザーを使った製品は価格が高くなる傾向がありますが、より高い耐久性と自然な表情を重視する人にとっては最もおすすめの選択肢となります。
一方で、均一な表情や程よい価格を重視する場合は、トップグレインレザーの製品も良い選択肢です。
スプリットレザーの製品は、軽さや柔らかさ、低価格を求める場合に適しています。
どの革が最適かは用途や好みによりますが、耐久性においては、フルグレインレザーが最も優れています。
その他に革の耐久性を左右する3つのポイント
寿命の長い革製品を選ぶ際、大事なのは革の銀面(表面の層)がどれだけ削られているかです。
つまり、フルグレインレザー、トップグレインレザー、スプリットレザーのどれが使われているかが重要です。
しかし、革の銀面が同じ状態のとき、例えば、同じフルグレインレザーが使われている時は、どのように耐久性を判断すればよいのでしょうか。
その場合、耐久性は主に次の3つのポイントで判断できます。
・原皮の年齢:元となる動物の年齢
・なめし方:革がどのようになめされているか
・革の部位:革をパーツに切り出すとき
革は元となる動物の年齢が高いほど丈夫に
革製品の耐久性は、元となる動物の年齢によっても変わります。
例えば、革製品によく使われる牛革の場合、元となる牛の年齢によって革質や耐久性が異なります。
カーフ(子牛の革)、キップ(若牛の革)、カウ(メス成牛の革)など、呼び方も年齢によって変わります。
牛革で言うと、最も丈夫なのは、カウやステア(オス成牛の革)といった大人の牛の革です。
その理由は人の肌の変化と似ています。
赤ちゃんの肌はすごく柔らかくてデリケートですが、大人になるにつれて肌は厚くて丈夫になります。
同様に、革も年齢が上がるほど丈夫になるのです。
カーフやキップは、カウやステアよりも柔らかくて滑らかな傾向がありますが、その代わりに耐久性は少し劣ります。
この傾向は、牛革だけでなく豚革や鹿革など多くの動物の革でも同様で、大人の動物からつくられた革が丈夫になります。
カウ・ステア(成牛の革) | キップ(若牛の革) | カーフ(子牛の革) | |
---|---|---|---|
耐久性 | 高い | 並 | 繊細 |
質感 | 粗め | 滑らか | とても滑らか |
※他の加工条件が同じ場合
そのため、より長く愛用できる革製品を求める方には、牛革なら「カウ」や「ステア」でつくられた製品がおすすめです。
※ヨーロッパの革の場合、カーフとキップをまとめてカーフと表記することが多いので注意。
※大人の牛の革をまとめてカウと呼ぶこともある。
※ステアは厳密には去勢したオス成牛の革。
革はクロムでなめされていると丈夫に
動物の"皮"は、なめすことで丈夫で腐らない"革"になります。
そしてなめす際に使う成分によっても、革製品の耐久性は変わります。
一般的な革製品で使われる革のなめしは、ほぼ全て「クロム」か「タンニン」ですが、クロムを使ってなめした革は特に耐久性が高くなるのです。
これは金属成分のクロムが、植物成分のタンニンに比べて、革の繊維と強い結びつき(配位結合)をつくるため。
強度が求められる工業用の革には、クロムなめしの革がよく使われます。
一方で、タンニンなめしの革は、耐久性は少し劣りますが革らしい色や質感の変化を生むのがメリットです。
この性質を生かすために、クロムで鞣した後にタンニンでなめす「コンビなめし」という方法もあります。
このなめし方は、クロム由来の耐久性とタンニン由来の経年変化の両方を楽しめるハイブリッドな方法です。
クロム鞣し | コンビ鞣し | タンニン鞣し | |
---|---|---|---|
耐久性 | とても高い | 高い | 並 |
経年変化 | 僅か | 豊か | とても豊か |
※他の加工条件が同じ場合
そのため、革製品をより長く愛用したい方には、「クロム鞣しの革」や「コンビ鞣しの革」を使った製品がおすすめです。
革は背中からお尻周りの部位を使うと丈夫に
同じ革から切り出して作った革製品でも、耐久性が異なることがあります。
革質や耐久性は、革の部位によって異なるからです。
革の部位は主に次の3つに分けられます。
・べンズ(背中からお尻周り)
・ショルダー(肩周り)
・ベリー(お腹周り)
この中で最も丈夫なのはべンズで、その次がショルダーです。
この部位は繊維が緻密で、ハリもあります。そのため、耐久性が非常に高いのです。
べンズの耐久性が高い理由は、主に次の二つです。
1つ目は、この部位は、体が動いても繊維が解れにくいため。2つ目は、体を支えながら、雨や風、摩擦や衝撃といった自然環境に耐える必要があるためです。
一方で、肩周りのショルダーは、首や前足の動きに合わせて革の繊維が少しだけ緩む傾向があります。
そのため、べンズよりも耐久性は多少劣りますが、程よい柔らかさがあるのが特徴です。
そしてお腹周りのベリーは、脂肪が多いため、繊維がゆるく柔らかい部位になります。
項目 |
べンズ(背中からお尻周り) | ショルダー(肩周り) | ベリー(お腹周り) |
---|---|---|---|
耐久性 | とても高い | 高い | 低い |
質感 | しっかり | 中間 | 柔らかい |
※他の加工条件が同じ場合
べンズだけを使うと他の部位が余ってしまうため、多くのメーカーは各部位を満遍なく活用しています。
特に質の高いメーカーは、製品外側の強度が必要な部分にはべンズを、それ以外の部分にはショルダーやベリーを適切に使い分けます。
そのため、革製品を長く愛用したい方には、べンズやショルダーが適切なパーツに、より多く使われている製品が特におすすめです。
革製品選びで革の耐久性を見極める3つの方法
① 革の表面・断面・裏面を観察する
実物を見て革製品を選ぶ時、素材の耐久性を見極めるキーとなるのは、表面・断面・裏面の観察です。
厳密に見分けることは難しいですが、各部位の状態によって製品の耐久性を判断する目安になります。
表面を観察する
まず最初に、革の表面に注目しましょう。
不均一な毛穴や自然なシワ(ナチュラルマーキング)が確認できたら、その革は丈夫なフルグレインレザーである可能性が高いです。
フルグレインレザーは、丈夫な銀面(表面の層)が削られていないため、天然の状態が保たれています。
また、同じ製品の別個体を比べるときには、革表面のきめ細かさに注目しましょう。
表面が緻密できめ細かい個体は、丈夫な部位(ベンズやショルダー)で作られている可能性が高いです。
繊維のゆるいベリーに比べて、ショルダーやベンズから切り出した革は繊維が細かく密に絡んでいます。
断面を観察する
次に、革の断面が見える製品の場合は、その繊維に注目してください。
断面がコーティングされていなければ、表面の緻密な層(銀面)と裏面の粗い層(床面)の2層が見えるはずです。
このときにきめ細かい銀面が厚いほど、その革は丈夫である可能性が高いです。
銀面が厚いということは、フルグレインレザーや、少しだけ銀面が削られたトップグレインレザーである可能性が高いからです。
具体的な銀面の厚みは、1mm程度あるかどうかを丈夫な革の目安にしてみてください。
裏面を観察する
最後に、製品の内側を覗いて、革の裏面に注目しましょう。
裏地のない製品の場合は、革の裏面(通常、スエードのような質感の面)を観察することができます。
同じ製品の別個体を比べたときに、裏面の繊維が細かく密に絡み合っているなら、丈夫な部位(ベンズやショルダー)を使っている可能性が高いです。
繊維の荒いベリーと、繊維が細かいベンズとの差は、表面よりも裏面にはっきりと現れます。
② 商品ページに耐久性を判断できる情報がないか確認する
革製品の耐久性を見極めるためには、商品の詳細ページを丁寧に確認しましょう。
多くの場合、使用されている革の種類やなめし方法、原皮の年齢といった重要な情報が記載されています。
例えば、商品ページにフルグレインレザーと記載されていれば、その製品は耐久性に優れる可能性が高いです。
それ以外にも、クロム鞣しやコンビ鞣し、カウ・ステア(成牛の革)と書かれていれば、それらも製品の耐久性が高いという指標になります。
耐久性を判断する目安となる情報をまとめました。
耐久性 |
最高 | 高 | 並〜低 |
---|---|---|---|
革の種類 | フルグレインレザー | トップグレインレザー | スプリットレザー |
動物の年齢 | カウ・ステア(成牛の革) | キップ(若牛の革) | カーフ(子牛の革) |
なめしの方法 | クロム鞣し | コンビ鞣し | タンニン鞣し |
使用部位 | べンズ(背中からお尻周り) | ショルダー(肩周り) | ベリー(お腹周り) |
※他の加工条件が同じ場合
より長く愛用できる革製品を選びたい場合、この表を参考に商品詳細を確認してみてください。
③ ブランドに以下のような質問をする
実物の製品や商品ページから得られる情報に限界がある場合も多く、どの革製品が高品質で耐久性があるのか判断が難しいことがあります。
そんな時に最も確実な方法は、直接ブランドやメーカーに問い合わせることです。
高品質な革製品を提供するブランドやメーカーは、使われている革の種類、なめしの方法、使用部位など、製品に関する多くの詳細情報を把握しています。
顧客からの質問に対して、通常は丁寧かつ正確に回答してくれます。
どんな質問をすればいいのか
このように、具体的な質問をすることで、革製品の耐久性についての情報を詳しく知ることができます。
ただし、この方法には時間がかかる場合もある点に注意が必要です。
特に海外ブランドの場合、時差や言語の壁があるため、すぐに回答が得られないこともあります。
それでも、長期間使いたいと考えている革製品を選ぶ際には、この方法は最も確実です。
簡単なメンテナンスで、革製品の寿命は大きく延ばせる
どんなに高品質な革製品を選んでも、適切にお手入れしなければ寿命は短くなってしまいます。
特に初心者の方は、どのような手入れが必要なのか迷うことも多いでしょう。
ですが、安心してください。
革製品のメンテナンスは非常にシンプル。
普段のお手入れは、基本かつ最重要な「ブラッシング」で十分です。毎回クリームを塗る必要はありません。
革製品の寿命を延ばすためには、ブラッシングが重要
革製品を長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特にブラッシングは、その中でも最も重要な工程の1つです。
なぜブラッシングが重要なのか
革製品を使っていると、気づかないうちに空気中に舞った砂や埃が表面に付着しています。
これらの乾いた微細な粒子は、革の表面から油分を吸い取ってしまい、結果として革が乾燥する可能性があります。
革は乾燥すると強度が落ち、破損につながる恐れがあるのです。
それを未然に防ぐために、ブラッシングはとても重要なお手入れです。
いつブラッシングすればよいのか
靴やバッグなどは特に、製品を使って家に帰ったタイミングで習慣的に行うことがおすすめです。
30秒ほどでざっとブラッシングするだけでも、砂や埃を簡単に取り除けるだけでなく、油分が失われるのも防げます。
どんなブラシを選ぶべきか
市販されているブラシは、豚毛ブラシと馬毛ブラシが主流です。
特殊な革を除いて、日常的なブラッシングには馬毛ブラシがおすすめです。
馬毛の繊維は豚毛に比べて細かく柔らかいため、革製品に優しく、細かな埃や汚れも効果的に取り除けるからです。
頻度とやり方
毎日のブラッシングが理想ですが、それが難しい場合でも、靴やバッグは少なくとも週に一度は行ってください。
砂や埃がつくことが少ないお財布などの小物は、月に一回程度、縫い目などの細かい隙間を中心に行なってください。
そして、ブラッシングする際は、あまり力を入れずに優しく行うことが大切です。
丁寧にブラッシングを行うことで、革製品の品質を維持し、寿命を大きく延ばせます。
革製品を長持ちさせる適切な革用クリームの使い方
革製品のお手入れはブラッシングが基本ですが、必要に応じた革用クリームの塗布も重要です。
おすすめのクリームと使い方を詳しく説明します。
いつクリームを塗るべきか
使用状況や革の種類によりますが、定期的にブラッシングを行っている場合はクリームの塗布を半年に1回目安にするとよいです。
しかし、水に濡れてしまった場合は、自然乾燥させた後、すぐにクリームを均一に塗ることが重要です。
油分が失われて革の強度が落ちるのを防ぐことができます。
クリームの選び方(起毛革以外)
一般的な革には「デリケートクリーム」と呼ばれる水分が多めに含まれるクリームがおすすめです。
このタイプのクリームは水分が多めに含まれているため、油分が偏らずに革全体に均一に浸透します。
また、シミになりにくく、油分を入れすぎて革がベタついたり変色したりするリスクも低いです。
起毛革やエキゾチックレザーは、基本的なお手入れはブラッシングのみになります。
その他のお手入れ方法は、その革に詳しいブランドに問い合わせるのが確実です。
塗り方のポイント(起毛革以外)
- 革製品をきれいにする: まずは、革製品についている埃や汚れを優しくブラッシングで取り除きます。
- 少量を試す: クリームが初めての場合、裏側や目立たない部分に少量塗って革への影響を確認します。
- 薄く均一に塗る: クリームは少量ずつ手に取り、円を描くように優しく満遍なく塗り込みます。
- 時間を置く: クリームが浸透するまで、記載されている適切な時間を置きます。
- 余分なクリームを拭き取る: 柔らかい綿の布で優しく拭き取ります。
- 最後にブラッシング: 布から出る毛羽や隙間に残ったクリームを落とすために再度ブラッシングを行います。
以上のケアを行うことで、革製品は美しさと寿命を大きく延ばせます。
革製品を保管する際は高温多湿・低温乾燥・直射日光を避ける
革製品を長く美しく使い続けるためには、お手入れだけでなく、正しい保管方法も重要です。
特に高温多湿、低温乾燥、そして直射日光は革製品の天敵です。
高温多湿で革にカビができる
革製品を湿度の高い場所で保管すると、カビやバクテリアが繁殖しやすくなります。
これらの微生物は革を侵食して強度を下げ、製品の寿命を短くする可能性があります。
湿度をコントロールするためには、除湿剤を使ったり、定期的に革製品を別の場所に移して風通しを良くするとよいでしょう。
低温乾燥で革が硬くなる
寒い場所や乾燥した環境では、革から油分が失われてしまいます。
その結果、革が硬くなったりひび割れたりするリスクが高まります。
冬季や乾燥している場所での保管には、革用の保湿クリームでのメンテナンスを忘れずにしておきましょう。
直射日光で革が変色する
人の肌が日焼けするように、革も紫外線によって変色や劣化が進んでしまいます。
特に色が鮮やかな革製品には注意が必要です。
保管場所は、日光が直接当たらず、明るすぎない場所を選びましょう。
おすすめの保管場所
家の中であれば、直射日光が当たらず、かつ定期的に空気の循環がある場所が適切です。
クローゼットや引き出しの奥、または棚の下などが考えられます。
ただし、それらの場所でも定期的に状態を確認することが重要です。
それぞれの環境によって革製品がどのように影響を受けるのかを理解し、適切な保管場所とメンテナンスを行うことで、その美しさと寿命を長く保つことができます。